新リーグ参戦をチャンスに

広島ドラゴンフライズ

浦 伸嘉 社長
広島のプロスポーツを応援!!【カープ&サンフレッチェ特集】|広島経済レポート
-2026年からBリーグが大きく変わります。

Bリーグは、各クラブが中長期的に事業投資できる環境を整え、安定的な成長を促すため国内最高位リーグの「新B1リーグ」を26年シーズンからスタートします。成績による昇降格を無くし、基準を満たせば参入できる仕組みに変わります。参加には条件があり、平均入場者数4000人以上、売上高12億円以上、アリーナの設立などが必要です。アリーナは収容人数8000人程度、2年先まで日程調整可能などの要件を満たさなければなりません。開幕と同時に参入するには24年10月の初回審査までに条件をそろえる必要があります。厳しいですが、格上の新リーグへの参加はクラブが大きく成長するためのチャンス。競争が激化する新リーグでより強いチームとなり、日本一さらには世界一を目指せる体制を整えます。

-アリーナ構想の進捗は。

20年6月に新アリーナ準備室を設け、21年4月に前広島市経済観光局長でマツダスタジアム建設に関わった日高洋氏を顧問に迎えました。試合は年間60日程度しかなく、クラブ本拠地の用途以外の残り300日をどのように活用するかが重要です。歴史的に見て広島は平和の象徴としての認知度が高く、世界の首脳が集まる会議などトップコンテンツを誘致しやすい。世界的に注目されるイベントを催すことで広島を盛り上げるとともに、ドラゴンフライズを世界に知ってもらうきっかけにしたいです。

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8月完成予定の「ドラフラベース」完成イメージ図

-今年8月にはクラブハウスも完成予定です。

クラブハウス「ドラフラベース」は、チームの練習拠点となる体育館と若手選手の寮を備え、廿日市市峠に建設中です。クラブ名のドラゴンフライは宮島にだけ生息するミヤジマトンボに由来し、チームカラーの朱色が厳島神社の鳥居をイメージしていることなど、廿日市市とのゆかりは深く、クラブのルーツであり重要な場所です。チームの練習や若手選手の戦力強化の拠点として必要不可欠と考えます。

-昨年3月、ゼネラルマネージャー(GM)に岡崎修司氏が就きました。

創業から約5年間は社長とGMを兼任する中で、GMとしては選手と契約する予算を上げたいが、社長としてはコストを切り詰めたいなど、一人で相反する両方の立場を務めることもあり苦労しました。GMを誰かに任せることで社長業に専念でき、それぞれの役割をはっきりとさせることで意思決定も明確に。岡崎GMは14〜18年にドラゴンフライズの選手として活躍し、引退後もアンバサダーやU15アシスタントコーチで関わってきました。選手やチームスタッフ、フロントをつなぎ、より強いクラブをつくるために適任だと考えています。

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大型補強を実現。プレーオフ進出を目指す

-今季は大型補強を実現しました。

クラブの方針で、選手との契約はスピード感と誠実さを最も大事にしています。シーズンオフに入ると選手は自身の去就が大きな心配事になり得ます。そういった不安をいち早く消すためにも、運営側が早い段階から方針を決めて、最初から上限の契約内容で選手と交渉する。契約に至らなければ、選手は他のクラブの条件を聞きしっかりと検討する時間ができ、断られた運営側は頭を切り替えて他の選手と交渉できます。クラブの姿勢に共感を得たのか、昨季得点王のニック・メイヨ選手や、元日本代表の辻直人選手、今季日本代表に選ばれた寺嶋良選手など実力選手がドラゴンフライズを選んでくれました。彼らの活躍はチームの成績に大きく貢献しています。

-今季も終盤。チームはリーグ4位とプレーオフ圏内を争っています。

現状は悪くないですが、このまま進出できるほど甘くないのも事実。運営側は勝ち負けに依存せずチーム強化への投資を惜しみませんが、プレーオフ進出はそのきっかけとして大きい。選手はまずプレーオフ進出を目指し、その先の日本一や世界一に向けて全力で戦ってほしいです。

-読者へ一言。

選手たちは、戦後復興が困難と言われた中で驚異的な発展を遂げた広島を背負うことに誇りを持って戦っています。それを体現するかのように、チームは昨季のリーグ最下位から、今シーズン終盤の3月に入って4位と大きく躍進しています。ぜひ会場に足を運んでいただき、会場の雰囲気を楽しみつつ、活躍する選手たちの勇姿を見届けてほしい。

プロフィール浦 伸嘉(うら・のぶよし)1980年10月1日生まれ、広島市出身。市立美鈴が丘高校、大阪商業大学を卒業後、新潟アルビレックスなどで選手としてプレー。2007年に現役引退し、16年から現職。

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