企業におけるDXとは

広島県総務局

DX推進チーム 主査 木戸隆哉氏

広島県は県下DXの推進に向け、適切なノウハウを保つ人材の確保と育成が重要と捉え、正しい理解と実践意識を醸成するための「みんなのDX研修」を9月から実施しています。
DXを進めると、そもそも「意味がよく分からない」、「自分には関係ない」という声を聞きます。本県が2月に実施したアンケート調査でも、「知っている」と回答した企業はわずか19%でした。そこでDXとは何か、どう取り組めばよいのかを解説します。

DXを進めると、そもそも「意味がよく分からない」、「自分には関係ない」という声を聞きます。本県が2月に実施したアンケート調査でも、「知っている」と回答した企業はわずか19%でした。そこでDXとは何か、どう取り組めばよいのかを解説します。

― DXとは何か

2004年にスウェーデンのウメオ大学のストルターマン教授が提唱した「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念です。経済産業省では「企業がビジネス環境の変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義されています。本県では、第1段を「プロセスをアナログからデジタルに置き換える」、第2段を「デジタル技術を活用して、ビジネスモデルを高度化・拡張する」、第3段を「デジタル技術を活用して、新しいビジネスモデルに変換する」とし、3段階全てをDXと定義しています。

第3段だけを定義することもありますが、大量のデータとAIを活用してイノベーションを起こすことが必要です。第1、2段階を行うことで、蓄積されたデータをさまざまなグラフに表し、気付けなかった顧客の特徴や製造工程の問題点が発見できるかもしれません。それが、顧客満足度の向上やコスト削減につながれば、デジタルで新たな価値を生み出したと言えることから、これらも含めてDXと考えています。

― DXの課題とは

以前はシステムを利用するために、専用のソフトウェアや端末、サーバを購入するなど初期投資が必要で した。近年は、月単位で利用できるクラウドサービスが数多く提供され、顧客や在庫管理など特定業務に特 化したもの、AIを利用して幅広く使えるOCR(文字認識)など、選択肢も増えました。導入しやすい環 境が整い、費用の障壁が相対的に低くなった今、デジタルが苦手だからと言っていると、他社がデジタル技 術を活用したことで相対的に競争力の低下につながりかねません。費用の問題も重要ですが、DXに取り組 む意識の醸成が最優先の課題だと本県では考えています。

― 何からすればよいのか

多様な分野や業種に共通して、まず「目的や課題の明確化」が必要です。とはいえ、目的や課題の明確化 を実行するのはとても難しいことです。簡単なやり方として、社員が業務で困っていることを考え、それら を解決できるデジタルサービスを探し、議論するのはいかがでしょうか。これなら、多くの企業で気軽にD Xに踏み出すことができます。それで顧客満足度の向上やコスト削減の実現など効果が出たら、次の挑戦に つながるかもしれません。

ここまで簡単に解説しましたが、もっと知りたい、社員全員に学ばせたいと思った方に、冒頭で述べた無料の研修を行っています。3時間で基礎を学ぶことができ、県内にお勤めの方であれば参加可能です。この機会により深く考えてみてはいかがでしょうか。

関連サイト :  広島県 みんなのDX研修
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