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こぼれ話

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変化への抵抗

 市中心部の商店街からわずか数メートル南の雑貨店の扉に、「人手不足により、閉店します」の貼り紙。求人募集しても応募がない。やっと新人を確保したものの、数カ月後に辞めていく。業種、業態、規模などによって格差はあるが、深刻な人手不足のダメージが、特に中小・零細企業にのしかかり、経営の存続さえ脅かしている。
 日本経済、社会を揺さぶる“人”の問題が大きくクローズアップされてきた。海外に働き手を求める、“外国人材拡大”法案をめぐり、与野党が紛糾、成立へ。一方で、時間外労働の上限規制などを盛り込んだ「働き方改革関連法」が6月に成立。来年4月から会社規模にかかわらず、年間の有給休暇消化が5日未満の社員がいる場合、会社が休暇取得日を指定しなければならないと義務付けた。罰則もある。中小は1年猶予。
 往々にして働き方をめぐる経営者と社員の考え方にすれ違いも起きる。残業削減。意外にも社員の反発が強い。家計を支える残業代が減る。さらにこれまでの働き方が変わり、新たな職場のルールを押し付けられるという「変化への抵抗感」が根深い。

 断固として実行

 スポーツ用品販売の体育社(中区三川町)は、9月に地元経済団体が設けた「広島県働き方改革実践企業」に認定された。大野昌志社長は2017年夏、働き方改革に着手すると宣言し、断固として行動に移した。かつて苦い経験がある。
「1日8時間働いたら原則、残業しないよう指示。だが、すぐに社員から不満が噴出した。何のための残業削減なのか、業務効率化の意識改革こそ大切だが、少しでも変化させられることに反感を持つ。匿名の社員アンケートで、社長交代を検討すべきと書かれたこともあった」
 従業員約50人で、うち女性が30人。大野社長が改革に踏み切った背景には、年々厳しさを増す現実がある。大手企業との競争激化や、人手不足への対応。大手は次々と大型店舗を開き、価格勝負ではかなわない。小規模店ならではの付加価値を高める社員教育に力を入れるが、女性社員の比率が高く、出産や子育てなどで毎年5〜6人が退社。対策は急務だが、社内だけの推進態勢では困難と考え、企業の働き方改革の導入を支援する広島県の事業に参画し、コンサルタントの助言を受けながら取り組んだ。
 営業や販売など部署ごとに毎月会議を開き、業務削減や労働時間短縮の対策を練っている。見積書を手渡すためだけに取引先を訪問する慣習を改めたほか、IT活用の営業支援ツールを導入。午前11時〜午後8時の経理の勤務時間は2時間前倒して午後6時に退社できるようにした。社員の休日を増やすため、減収を覚悟で東広島と呉、岩国市の店舗に定休日を設けた。
「ひとつひとつと解決策を実行した。女性3人が育休を取得。以前は子どもを風呂に入れることはなかったが、今は毎日入れていると。絶対にやると宣言して始めたが、着実に成果が見えてきている。8月からは売り上げの大きい本店も定休日の導入に踏み切った。生産性を上げ、利益を出せる体質をつくらなければならない。ここからが勝負だ」

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