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こぼれ話

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海の仲人

 穏やかな波と多島美、心地良い潮風に誘われ、瀬戸内を訪れるサイクリング客が後を絶たない。中でも、しまなみ海道(西瀬戸大橋)は2014年に米国CNNが世界7大コースとして紹介。サイクリストの聖地と呼ばれるほどになり、観光資源に定着した。
 瀬戸内に架かる橋の開通で乗客を奪われていたフェリー事業者も、サイクリング客の増加をチャンスと捉える。中国旅客船協会は4月1日、自転車持ち込み運賃を割り引く「せとうちサイクルーズPASS」の対象に10社10航路を加え、47社50航路に拡大した。四国と神戸の旅客船協会と連携し、サイクリングの盛んな瀬戸内の島しょ部をほぼ網羅する。
 2011年に始めたサイクルーズパスの発行枚数は、当初の年間約7400枚から2万枚近くにまで増え、確かな手応えを得ている。広島県旅客船協会の仁田一郎会長(瀬戸内海汽船社長)は、
「しまなみ海道のコースは橋を渡る、島を走る、船に乗れる、という3つの魅力が詰まっている。これは世界でも珍しい。昨年5月の自転車活用推進法施行と相まって、さらに愛好者が増えそうだ。サイクルーズパスを使って旅客船に自転車を持ち込み、島へ渡ることで、多様なコースが楽しめる。サイクリングの途中で疲れたらフェリーで帰る、といった柔軟な選択も可能になった。このほか江田島や呉など、魅力的なコースは各地に多くある。サイクリングの振興にも寄与できると思う。今後はフェリー、JR、路線バスの一体的な交通体系の整備がいっそう重要だ」
 同じく増加傾向のキャンピングカー利用者を対象に、15年から旅客船の運賃割引「せとうちCamperクルーズ」を設け、県内の島しょ部などで実施している。アウトドア好きな仁田さんが、キャンピングカーのオーナーズクラブ「くるま旅Club」のことを知り、縁ができた。島しょ部は総じて宿泊施設が少ない。駐車スペースと食事、シャワーさえ提供できれば、宿泊施設代わりにキャンピングカーをフェリーに積んで、島々を巡る〝クルーズ〟ができる、と思い立った。
「サイクリング客とキャンピングカー利用者には、目的地まで素通りするのではなく、島に降り、島を巡り、その土地ならではの良さを体感し、たくさんの思い出を持ち帰ってもらいたい。わが社のモットーは〝海の仲人〟。本土と島を船で結ぶことに加え、地域に多くの人が訪れるよう、企画や工夫を凝らしてきた。島しょ部の振興と本土との交流の活性化に役立つことが使命だと考えている」
 しまなみ海道は多くのサイクリング客の呼び込みに成功した。ただ、開通から20年近くを経て、島は潤い、にぎわったのか。島内での観光消費額は決して多くはない。
「橋の通行料は途中で降りると割高になる。来島者を増やすためにはむしろ、寄り道をするほど安くするべき。島内でETCカード払いで買い物すると、通行料が割引される仕組みもあると良い。訪れる人が増え、消費が増えることが島の活性化に一番効く」
 交流人口の増加へ、瀬戸内7県の出資で広域観光組織が船を所有し、島々を巡って農業や漁業、天文学などを学べる「瀬戸内大学」の夢も描く。

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