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こぼれ話

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トップの気迫

 カープが首位を独走する。だが、テレビ中継が映すベンチの緒方監督の表情は、さらに厳しい。自ら「3連覇、日本一」の目標を明確にし、その差し迫る重圧を気迫で払うかのように鋭く、勝負師の風格さえ漂う。
 組織を統べるトップの個性はさまざまだが、その指揮命令権は、反面、なべて監督義務を伴い、最終責任の逃れようのない重圧がかかる。好調なときもおびえがあり、危機のときは毅然として判断、決断、実行し、組織を守る重大な責務がある。むしろ危機、土壇場のときこそ、トップは何をなしたか、何をなそうとしたか、のちに皆から問われることになる。
 西日本豪雨で、呉市の安浦支店が床上1メートル60センチまで浸水した広島市信用組合(山本明弘理事長)は、一日たりとも休業しないと目標を定め、7、8日の土日に役職員を動員して同支店の復旧作業に徹した結果、9日の月曜には通常通り朝9時の開店にこぎ着けた。同支店や周辺商店街などの復旧作業に携わった経過について、
 ▷7月7日㈯午前8時半-安浦支店の被害状況を確認し、すぐさま役席者2人を派遣。常勤理事会を招集して対応を協議した結果、明日早朝にチャーター船2隻で同支店へ向かうことを決定。あらかじめ量販店でスコップや長靴、食料品などの救援物資を車1台分ほど調達。
 ▷8日㈰午前6時-常勤理事会。悪天候や流木による障害などを考慮し、人員輸送を断念。船長の申し出もあって救援物資だけを先行して海上輸送。山本理事長らは急きょ新幹線で三原駅、レンタカーで現地入り。午後から5時間をかけ、総勢17人で復旧作業に取り掛かる。
 ▷9日㈪午前9時-同支店で窓口業務始める。長靴を履いたままで復旧作業をしながら、機器が稼働しなくなったため手作業で来店客に対応。
 本店や他の支店からも応援部隊を募り、開店までの急場をしのぐ一方、11㈬〜13㈮の3日間はそれぞれ46人にまで増強。むろん山本理事長も率先し、チャーターしたバスで同支店へ。復旧作業を一気に加速した。
 連日の酷暑。72歳にしてスコップを片手に汗だくだくで復旧作業をこなす金融機関トップの姿が、しばらく取引先で話題になったという。
 それから支店の復旧が一段落するやいなや、各週の土曜を利用して支店周辺の復旧作業支援に力を尽くす。路上に次々と運び出される床板、たんす、家電類、土砂を詰め込んだ土のうなどを、借りてきたダンプカーに積み込み、指定場所まで一日10往復。こうして8日から28日まで業務をやり繰りして本・支店から募った応援部隊は延べ228人に及ぶ。汗だくだくの復旧作業などを通じて全体に大きな一体感も生まれたのではなかろうか。山本理事長は、
「困ったときはお互いさまです。状況を把握した上で目標を示し、そのために何をなすべきかが定まれば、できる限りのスピード感で対処。走りながら考える、臨機応変も大事。ためらいは禁物です」
 びしっと背筋が伸び、高校時代に野球部で鍛えた体は今なおしゃきっとし、誰も首をかしげるほど。声もでかい。それらもそうだが、何より気迫がすごい。ぶれない。

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