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こぼれ話

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リーダーの足跡

 2025年問題。驚くべきデータがある。1947〜49年に生まれた団塊の世代が75歳以上になり、4人に1人が後期高齢者(75歳以上)という「超高齢化社会」が到来。医療費などの社会保障費が急膨張すると危惧されており、このままでは世界に誇れる国民皆保険の維持さえ危ういという。団塊世代には、いささか割り切れない気分もあろうが、何か策はないのか。
 ずさんな年金記録の管理・運営などの不祥事が頻発した社会保険庁の解体を受け、2008年10月1日に全国健康保険協会(東京)が発足。日本最大の保険者(医療保険引受人)で、通称協会けんぽ。広島銀行常務を経て、ひろぎん経済研究所の理事長を務めた後、初代の協会けんぽ広島支部長に就いた向井一誠さん(73)が9年の任期を終え、9月末に退任した。在任中、「健康に役立つことなら、何1つためらうことはない」
 と、持ち前の突進力をいかんなく発揮した。
 支部長に就任早々、09年からパイロット事業として、レセプトデータ(診療報酬明細書)を基に、一定額の軽減が期待される4万7219人を対象に「ジェネリック(後発)医薬品軽減効果額通知サービス」を実施。目の付けどころに狂いはなかった。全国に先駆けた同通知サービスは10年1月から全国展開され、全国累計で873億円(推定)の医療費軽減効果があったという。支部で始めた頃のジェネリック使用率は17.7%にとどまっていたが、17年5月には45.4%(新指標で70.7%)に跳ね上がった。
 当時、向井さんは、
「協会けんぽのレセプト分析は主病名の分析だけで、レセプトの疾病構造やそれに伴う医療費の実態が把握できなかった。広島支部で年間1200万枚のレセプトデータを保有しているが、その膨大な宝の山であるデータを正確に分析できない課題があった。しかし、広島に医療費グルーピング技術(特許)を持つ情報サービス会社(データホライゾン)があったのが大きい。同技術を使って正確な分析を行い、実態を伴った事業を実施できるようになった」
 その後、ICT(情報通信技術)を活用した効率的な保健指導、健康異常値放置者(医療機関への未受診者)への受診勧奨、重複受診・頻回受診者に対する適正受診通知、糖尿病の重症化予防、行政と連携した歯科健診推進事業などのパイロット事業を次々に実施し、9年間で計23件(全国133件)に上る。やがて全国へ広まり、定着していった事業は少なくない。
 なかでもデータヘルス事業の一環で独自に開発した、事業所の健康度を「見える化」する「ヘルスケア通信簿」(協会けんぽ登録商標)事業は、厚生労働省の「第4回健康寿命を伸ばそう!アワード」で、厚生労働大臣優秀賞を受賞。事業所ごとの健康課題をひと目で理解できるようにした。17年度は調剤薬局による糖尿病重症化予防事業、多剤処方者への服薬情報の文書通知事業などに取り組む。全国平均より高かった保険料率を引き下げるため、さまざまな事業を展開してきたことが成果を挙げ、18年度は全国平均並みになると予測している。
 この9年。ためらうことなく改革、業務改善に挑んだリーダーの足跡といえよう。

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