こぼれ話

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相談してよかった

 友達に持つなら弁護士、医者…とも言われるが、できれば、彼らのお世話になりたくないのが本音。誰しもが平穏無事を願うものの、突如、トラブルに巻き込まれ、抜き差しならぬ窮地に陥ることもあり、どうにも自力で解決できなくなった時に、第三者、特に専門家に救いを求めなければならないことも。
 山下江法律事務所(中区上八丁堀)は、1月に弁護士5人を増員し、これで弁護士15人、スタッフも含め36人という中四国の法律事務所で最大規模に。借金や交通事故の無料相談に続き、2月25日には倒産・再生、企業法務などに関する専用サイトを開設した。弁護士で所長の山下江さん(57)は、
「複雑で多種多様な案件に対応するには一人の知恵、力、経験では限界があります。皆の知恵を集め、総合力をフルに生かして依頼人の悩み、問題解決に臨みます。『相談してよかった』と、ほっとされた依頼人の顔を見るのが、何よりもうれしいのです」
 金融円滑化法が施行されたせいか、ここ数ヵ月、倒産絡みの案件が減ってきたとか。一方で未払い賃金、残業代の請求、解雇などに関する相談や訴訟が増えており、不況を色濃く反映しているようだ。最近では、依頼者側に良い方向で解決する糸口さえ見付けることが困難と思われた会社の支配権にかかわる訴訟で、全体を徹底して洗い出し、あらゆる角度から論点を主張。予想を覆す有利な判決が下りたのが、特に印象深いよう。
「最も大切にしなければならないのは、やはり、“人間”だと考えています。コンプライアンス(法令順守)はむろんのこと、最終的には、人としてのあり方が問われてくるように思います。会社の危機管理も行き着くところは人。働く人の喜びや充実感をないがしろにしてはいけない。人と人のあつれきから、ほころびがさらけだされて重大な事態へと発展することが多いのです。トップは絶えず、最悪の局面を想定しながら、いざ…の時に備えることが肝要ではないでしょうか」
 企業経営も平穏無事に越したことはないが、利害や正当性を争う人と人、企業と企業の確執は世の常。当然のことながら具体的な内容は明かしてもらえなかったが、社会の裏面とも言える話の中に、多くの教訓が示唆されていた。
 山下さんは、修道中・高校からストレートで東京大工学部へ。世のため、人のためと学生運動の先頭に立ったこともあったが、嵐が過ぎ去った後、弁護士を志し、3年後には38歳で司法試験に合格。東京で2年余、1995年から広島で弁護士活動を始めた。
 弁護士としては変り種?なのか、NPО「広島経済活性化推進倶楽部」の理事長も務める。法人・一般・賛助会員を合わせて約80人で運営。年3回、中小企業やベンチャー、起業家に投資するエンジェルの募集や取引拡大の場として“お見合い交流会”を設ける。これまでに同交流会を契機として約20社へ計約1億円の株式投資が実施され、うち数社が上場しそうとか。
「資金に余裕があれば、可能性を秘めている人、企業を積極的に応援していきたい。また、そのような人(エンジェル)がたくさん生まれてほしい。それが広島経済の活性化につながると確信しています」

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