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こぼれ話

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不況こそ革新を生む

 菅内閣が発足した。「自助・共助・公助、そして絆」を旗印に、新型コロナウイルス対策と不況克服という2つの難関に立ち向かう。日本の浮沈をかけ、大改革のチャンスでもある。まったなし。地方議員から出発した、そのたたき上げの手腕が試される。
「かつてない不況からはかつてない革新を生む」(松下幸之助の言葉)という。ここを踏ん張り、新たな活路を開くことができるか、まさに経営者の腕の見せどころ。安佐北区口田の医療法人社団いでした内科・神経内科クリニックの井手下久登理事長・院長は、
「新型コロナウイルス感染の不安もあり、たくさんの市民が病院に押しかけた。当院はみんなが知恵を出し、建物の外に発熱外来を設けるなどのアイデアをすぐに実行。相手の立場に立って考えるホスピタリティー日本一を目指し、外来の待ち時間短縮など、いわば当たり前の改革に取り組んできた。困難から革新が生まれるという幸之助さんの経営哲学は実にシンプルで、誰にでもすぐに実行できそうに思えるが、いざその立場に直面すると、さまざまな迷いや悩み、疑問などが頭をもたげてくる。本で読んだことと、実践することの間には大きな開きがあり、素直な心で改革に向かうようになるまで長い時間が必要だった。小さな改革の1つ1つを積み上げていくほかない。試行錯誤の経験を通じ、いまはスタッフ約160人に共通の信条、基本動作となっている」
 2007年に医療・介護分野で唯一、「ハイサービス日本300選」に選ばれた。1999年からトヨタ方式による改善活動を導入するなど、やるからには万事徹底した。例えば、外来診察の2時間待ちを改善する目標を立て、人の動線を整理するところから着手。所用時間の計測タイマーを備え、居場所や待ち時間を見える化。外来者に丁寧な案内を心配りするなど、大幅な時間短縮を実現させた。 
 工場経営や病院経営の枠組みを超えて「人間尊重」の考えが根本に流れており、興味深い。同クリニックは4つの日本一を目指している。日本一立派な経営者、職員を物心両面で日本一幸せに、医療・障がい・介護の質が日本一、ホスピタリティーとサービスが日本一と掲げる。どれも客観的な基準があるわけではないが、大きな志がなければ、小さなことも何一つ成すことができないという井手下理事長の覚悟なのだろう。
 広島大学医学部を卒業後、広島市民病院勤務を経て、日本一の〝かかりつけ医〟を目指し、1992年に開院。体が不自由になっても、安心して生活できる在宅医療と介護を実践するために、通所リハビリテーションや認知症デイケア、デイサービス、居宅介護支援事業所、2016年に県内初の高次脳機能デイケアを始めるなど、障害者向けトータルヘルス・サポートの体制を充実させている。来春には小規模多機能型居宅介護を始める計画だ。
 子どもの頃から建設業を営む父親の背中を見て育ったから、知らず知らずのうちに経営者の心構えが備わったのだろう。経営者に大切なことは熱意、人を思いやる心、そして実行力と言い切る。20年前からスタッフらと共に同クリニック周辺で早朝の清掃を続けている。

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