佐伯区八幡東で流通団地と約170戸の住宅地の複合開発が計画されている。地元地権者らでつくる「広島市八幡東土地区画整理組合」が、道路や公園を整備して宅地利用を促す土地区画整理事業として開発を進める。計画対象面積は約28万2000平方㍍で、2027〜28年ごろの着工を見込んでいる。 計画地は国道2号西広島バイパス北側の五日市大字高井、八幡東1丁目、3丁目、4丁目の各一部で石内バイパス(県道原田五日市線)に面す。周辺には美鈴が丘団地などの大型宅地や生協さえき病院、スーパーのゆめマート八幡、コイン通り商店街(同区五日市中央)などがある。計画によると事業区域約16万7000平方㍍と住宅区域約11万5000平方㍍を造成。バイパスや高速道路網へのアクセスの良さを訴求して事業区域には2事業者ほどの物流施設を誘致する。現在は開発許可申請を進めており、全体の工期は4〜5年程度を予定している。
天ぷら、そばがメインの和食居酒屋。常時およそ15種類をそろえる日本酒は季節などに合わせて入れ替わるため、来店のたびに新しい組み合わせが味わえる。「多様なグルメが集まるエキニシですが、和食は比較的少なかった。また、はしご酒の締めに寄れる店としてお好み焼き以外の選択肢があると良いのではないかと考え、昨年3月にオープンしました。もちろん、食事メインの1軒目としても楽しめます」 エキニシらしい、狭い階段を上った2階には8人が座れるテーブル席を配置し宴会にも対応。コース料理2種(2980円と3980円)も用意する。1階のカウンター4席では料理だけでなく、代表との会話も楽しんでほしいと話す。「お客さまのニーズをくみ取るのは得意です。例えば夏場であれば、スッキリ飲みたいという方に日本酒の炭酸割りを提案。飲み方の幅を広げてもらえたらうれしい。食事メニューとのペアリングもお任せください」
INFORMATION当社は広島ガスグループの介護部門として、認知症対応の介護施設「ケアセンター宇品」(南区宇品神田)を運営。6月に社長に就きました。 江田島市出身で、小学校2年生の時カープが初優勝。その瞬間を一緒にテレビ観戦した父は、私の前で初めて涙を流し、野球はこんなにも人の心を動かすものなのだと実感しましたね。国泰寺高校で野球を始め、広島修道大学では準硬式野球部の投手。当時はアルバイトで市民球場のボールボーイも務め、スター選手のプレーを特等席で見ている気分でした。記念にと受けたカープのプロテストでは、最終の3人に残ったこともちょっとした自慢です(笑)。 広島ガスに入社後は軟式野球部でプレーし、天皇賜杯の全国大会なども経験しました。そのほか、出身校別に同窓会チームを結成し全国を目指す「マスターズ甲子園」にも注力。実は我が母校は1949年春の選抜大会出場が内定していたものの、学制改革で幻に終わりました。ぜひ先輩たちにマスターズで夢の続きをと意気込み、決勝に進んだ2007年も広島工OBに惜敗。そこで、当時のエースで広島信用金庫元理事長の故・田村鋭治さんをぜひ甲子園のマウンドに立たせてほしいと事務局に嘆願したところ、終球式が実現。憧れ続けた場所に、手が届いた瞬間です。 当施設の利用者さまもカープが勝つとはつらつとしており、元気の源であると痛感。1試合でも多く勝ち星を積み、市民に笑顔を届けてほしい。
相場に「人の行く裏に道あり花の山」という有名な格言がある。人の生き方、経営者の孤独を語り、思い当たる人も多いのではないか。 友なき方へ行くべし。相場師は孤独を愛す。それぞれ相場格言だが、さぁ、どうするか。次から次へと経営課題を突きつけられる。広島企業の社長取材を通じて表と裏、知と情、期待と不安が交錯する中、瞬時に決断を迫られる苦悩はいかほどか、つい思いをはせることがある。先のことは誰にも分からない。みんなから支持される決断などないが後にあの時、潮目が変わり拡大発展へチャンスをつかんだと言われる決断こそ、経営者冥利だろう。 全国金融界で異例の22期連続増収を達成した。広島市信用組合(中区)は、前3月期決算で売上高に当たる経常収益202億円を計上。過去最高を更新した。何か特別の秘訣があるのか。いまも午前3時半に起床し、朝5時には一番でオフィスの机につく山本明弘理事長(79)は、「秘訣などない。あくまでも本業の預金、貸金に徹し、一切ぶれることがない」 と言い切る。2005年6月に理事長に就任するやいなや、過去15年に及ぶ所有株式の損益状況を総ざらいしたところ、バブル崩壊のあおりもあって、さんたんたる結果だった。即座に今後は投資などに目もくれないと決断。大半の株を売り払ったという。 この時から本業一筋。渉外担当の頃に鍛え抜いたフットワークがすごい。理事長自ら年間で1000軒以上の取引先を訪問。日々の決裁など激務にさらされる金融機関トップにして並大抵でない。あのでかい声で取引先を訪れる。顔を合わさなければ分からない貴重な情報も瞬時にキャッチ。オフィスや工場に活気があるか、どうか。経営者と本音で語り合う。いつしか山本理事長の訪問を心待ちにする経営者も多いという。 大手行などがなかなか真似のできない〝足で稼ぐ〟営業に徹する。金融機関がこぞって合理化を進める中、「自転車、バイク、足を使った営業は非効率に映るが、これが足腰の強さになり、結果的に高い効率をはじき出す」 と胸を張る。渉外担当者もぶれることがない。 どの業界にも通底する信念がある。競合他社が何をしようとわが道を行く。実績が自信になり、勇気を生むのだろう。むろん暗闇に鉄砲を撃つことはない。取材中にもあれこれと経営指標が飛び出す。「全て綿密に分析し、その上でぶつかってみる。そうすれば余計な心配など吹き飛ぶ」 経験に裏打ちされた勘とデジタルがかみ合うのだろう。 銀行員による貸金庫からの窃盗事件が発覚し、金融機関の中には貸金庫サービスを縮小する動きが出てきた。同信用組合はここぞと攻勢をかける。店舗建て替えなどに合わせて今後3年間で全自動貸金庫を500個以上増やす計画だ。台風や地震、窃盗などの被害から財産を守ってくれるセキュリティー対策を備えた貸金庫利用のニーズは高いと判断。9月16日に新築移転する南支店、その後に計画している鷹の橋支店以降の新築店舗にも全自動貸金庫をそれぞれ設置していく。既存の貸金庫1157個(16年の可部支店移転開店以降)全てが契約済みという。 相手の立場に立つ。案外とビジネスのヒントは身近にあるが、計画を遂行するトップの胆力も試される。職員へ寄せる思いなど、次号へ。